冷え性に悩んでいる人の多くが、手足の末端や肩、腰などの部位に極度の冷えを感じています。
ただ、冷え性の場合は、冷えている部分を直接温めたからといって、状況が良くなることはあまりありません。
冷え性特有のつらい症状を軽減するために、蒸し生姜で身体を温めてみましょう。
この記事では、冷え性の原因について触れるとともに、温活に取り入れたい蒸し生姜のレシピなどについても解説していきます。
目次
そもそも冷え性はなぜ起こるのか
冷え性に悩んでいても、その原因を正しく知っている人はそれほど多くはありません。
症状を緩和したいなら、冷え性の原因を押さえておき、必要な対策を行うことが大切です。
ここでは、冷え性が起こる原因や、冷え性になりやすい人の特徴などを見ていきましょう。
知っておこう!冷え性の原因とは
冷え性の主な原因は、血行不良にあります。
手足の先にある血管は細くなっています。
そのため、全身に血流が十分にいき渡っていなければ、手足をはじめとする身体の温度が下がり、また熱量が不足することから、平熱が低くなるなどの症状につながる恐れがあるのです。
そして、これらの事柄が冷え性を招く直接的な原因となるのです。
ただ、冷え性の基準や定義は非常にあいまいといわれています。
しかし、冷え性で悩んでいる人の多くが「冬だけでなく、夏場も手足が冷たい」や「ほかの人よりも寒がり」などの傾向にあることから、本人が冷え性だと自覚しているケースがほとんどです。
冷え性になりやすい人の特徴
冷え性になりやすい人には、いくつかの特徴が見られます。
まず、自律神経が乱れると、上手く体温の調節ができなくなり、冷え性につながる可能性があります。
たとえば、「1日中クーラーの効いた部屋にいる」や「ファッションであえて薄着をしている」などの場合、自律神経の機能が乱れて、冷え性につながっている恐れがあるといえるでしょう。
次に、偏った食生活によるエネルギー不足も、冷え性になる可能性があります。
たとえば、外食やファーストフードばかりの食生活を続けていると、ミネラルやビタミンが不足してしまうことから、身体の冷えを招いてしまいます。
冷え性にならないようにするためには、バランスのとれた食生活を置くことが欠かせません。
ほかにも、筋肉量が少ない人は、冷え性になりやすい傾向にあるといえるでしょう。
筋肉には、熱を作り出すもととなる働きがあります。
そのため、筋肉量が少なってしまうと、熱量不足に陥りやすくなります。
冷え性を防ぐためには、ストレッチやウォーキングなど適度な運動を続けることが重要です。
温活には蒸し生姜を取り入れよう
冷え性の悩みを抱えている人のなかには、「何とかして症状を和らげよう」とさまざまな対策を行っている人が多く見られます。
冷えた身体を芯から温めるという意味でも、食生活の工夫をして冷えを防ぎましょう。
身体を温めるのに適した食材のひとつに生姜があります。
普段の食生活に生姜を取り入れて、冷え性を緩和しましょう。
冷え性に効く生姜のパワーとは
一般的に、生姜という食材には「身体を温める」や「風邪を予防してくれる」などのイメージが持たれがちです。
日本で生姜というと、麺類を食べるときの薬味や、すりおろした生姜を紅茶に入れるなど、料理に使うケースが多く見られます。
一方、中国では生姜を漢方薬として広く活用しています。
中国では、生姜を新鮮な生の状態で使うだけでなく、乾燥させたり、火にくべて蒸し焼きにしたりするなど、加工して活用している点が大きな特徴です。
生姜に関しては、加工の仕方によって効能が変わってきます。
たとえば、生の生姜には発散作用があり、嘔吐を止める、解毒、胃腸の働きを活発にするなどの働きが見られます。
しかし、生の生姜に含まれる「ジンゲロール」と呼ばれる成分は、血流を良くしてくれるのと同時に、身体の熱を手足の末梢へと送り出してしまうのです。
そのため、冷え性の人が生の生姜を食べると、深部体温が下がってしまう恐れがあります。
また、蒸して乾燥させた生姜は「乾姜(かんきょう)」と呼ばれており、胃腸を温める、消化機能を高めるなどの働きが期待できます。
したがって、冷え性で悩む人が生姜を摂取する場合、生の生姜を食べることは控えたほうが良いといえるでしょう。
このように、生姜には高い健康効果が期待できるため、自分の身体の状態をしっかりと観察したうえで、それに見合った摂取の仕方をすることが望まれます。
身体が温まる!蒸し生姜とは
蒸し生姜とは、蒸して乾燥させた生姜のことをいいます。
生姜に含まれる成分のジンゲロールは、生姜を温めたり、乾燥させたりすると、「ショウガオール」と呼ばれる成分に変化します。
ショウガオールに関しては、身体を温めるだけでなく、殺菌作用や中枢神経系の調整作用、がん細胞の増殖を抑える、便秘解消、アンチエイジングなど、健康な身体を保つうえでのメリットがたくさんある点が特徴です。
また、生姜に熱を加えると、「ジンゲロン」と呼ばれる物質も生まれます。
ジンゲロンは脂肪燃焼効果を高めてくれるものであり、基礎代謝もアップさせてくれることから、ダイエット時などに役立ちます。
このように、身体を芯から温めることを目的として生姜を摂取する場合は、生の状態よりも、蒸して乾燥させた生姜のほうが好ましいといえるでしょう。
試してみよう!簡単蒸し生姜レシピ
蒸し生姜は家庭でも簡単に作ることができます。
蒸し生姜を作っておくと、さまざまな料理や飲み物にさっと加えて体内に取り入れることができるためとても便利です。
蒸し生姜を作って、さまざまな活用の仕方にチャレンジしてみましょう。
簡単!蒸し生姜の作り方
蒸し生姜を作る場合、必要な材料は生姜のみです。
まず、オーブンを100度に予熱しておきます。
生姜は皮ごと水洗いし、キッチンペーパーなどを使ってしっかりと水気を拭き取っておきましょう。
そして、生姜は皮がついたまま、しま模様に沿って1~2ミリの厚みに切っていきます。
このとき、生姜の繊維に沿ってスライスしていくことがポイントです。
天板にクッキングシートを敷き、スライスした生姜を重ならないように並べていきます。
それからオーブンに入れ、40分加熱します。
40分後にオーブンから取り出して、まだ生のような感触が残っていれば、10分程度追加して加熱しておきましょう。
完成した蒸し生姜は密閉容器に入れて常温で保管しておき、食生活に取り入れていきましょう。
蒸し生姜の使い方
手作りした蒸し生姜は、さまざまな料理や飲み物と一緒に摂取することができます。
たとえば、温かい紅茶や昆布茶に入れたり、蒸し生姜を粉末にして生姜湯として飲んだりすると、冷えた身体でも芯から温めることができるでしょう。
ほかには、水炊きやみそ汁、スープなどに蒸し生姜を適量入れると、普段とはひと味違った味わいが楽しめます。
また、出来あがった料理には、粉末にした蒸し生姜をひと振りしてみましょう。
カレーやチャーハン、トーストなどに蒸し生姜の粉末をかけるだけで、蒸し生姜特有の香りが味わえます。
目安となる摂取量
蒸し生姜を摂取することによって、「冷え性が和らぐ」や「ダイエットが期待できる」など、これまで悩んでいたさまざまな症状が改善する可能性があります。
そのため、「蒸し生姜はたくさん食べたほうが良いのではないか」と考える人もいるでしょう。
しかし、蒸し生姜を食べるときには、1日あたり2~3グラムを目安として取り入れることがポイントです。
万が一、たくさん食べすぎてしまうと、胃荒れや胸焼けなどを起こす恐れがあるため、過剰に摂取することのないように注意しましょう。
まとめ
「身体に良いもの」というイメージが強くある生姜は、生か、加熱したものを摂取するかによって、含まれる成分が異なり、効き目も変わってきます。
冷え性で悩んでいるのであれば、生姜は生の状態ではなく、蒸し生姜を摂取することがポイントです。
蒸し生姜は家庭で簡単に作ることができ、保存もききます。
蒸し生姜を毎日少しずつ摂取して、つらい冷え性を和らげていきましょう。