日本の伝統的な食材であるかつお節は、カツオを煮熟してから乾燥させることでつくられる日本の伝統的な保存食です。毎日の食卓に並ぶお味噌汁などにも使われているように、私たちの食生活においても身近な存在であり、「だし」は和食に無くてはならないものです。
そんなかつお節は栄養豊富で、生のカツオの約3倍ものタンパク質が含まれています。タンパク質だけに限らず、かつお節に含まれる成分にはダイエット効果など健康に良い効果が期待できます。
今回は、かつお節にダイエット効果がある理由と、今日から試せる具体的なダイエット方法を紹介します。
目次
かつお節にダイエット効果がある理由
かつお節には、主にヒスチジンとイノシン酸という2つの成分が多く含まれています。これらの成分に期待される作用がダイエット効果を高めるといわれています。
ヒスチジン | 5600mg/鰹節100g |
イノシン酸 | 470〜700mg/鰹節100g |
【参考】海産物 | 特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター (umamiinfo.jp)
日本食品標準成分表2015年版(七訂)-文部科学省
食欲を抑制
かつお節を食べることによって食欲を抑制させる効果が期待できます。
かつお節に含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンは、体内でヒスタミンという神経伝達物質に変化します。
ヒスタミンには満腹中枢を刺激して食欲を抑える効能があるため、食べ過ぎを防ぐことができます。
良く噛むことによってヒスタミンの分泌は活発になります。
このことから食事の最初によく噛みながら食べることで、満腹感を満たし、その後の食事量を減らすことができるかもしれません。
脂肪を燃やす
食欲を抑制させる効果が期待できるヒスチジンには、中性脂肪の燃焼をサポートする効果も期待できます。
適度な運動と組み合わせることによって、脂肪燃焼効果をさらに高めることができます。
また、中性脂肪の減少は体脂肪が減ったり血液がサラサラになるなどダイエットだけでなく、健康増進にも繋がります。
新陳代謝を促進
かつお節の旨味成分であるイノシン酸には新陳代謝を促進する働きがあります。
新陳代謝量が増えるということは、エネルギーの消費量も増えるということです。
つまり、イノシン酸の新陳代謝を促進する働きは、ダイエットに直接的に繋がります。
おいしいだけでなく健康に繋がるかつお節は、ダイエットにぴったりな食材といえます。
筋肉が増える
痩せやすい身体なるためには、基礎代謝を上げてくれる筋肉量を増やすことは欠かせません。
かつお節100gには、筋肉の生成に関わるタンパク質が77.1gも含まれています。
これは、タンパク質が豊富だということで有名な豆乳の約2倍の含有量に当たります。
かつお節は手軽に良質なタンパク質を補うことができる食材だといえます。
かつお節ダイエットのやり方
かつお節にはダイエットを助ける成分が豊富に含まれていることが分かりました。ここでは、手軽に実践できる具体的なダイエット方法を3つ紹介します。
かつお節スープ
身体を芯から温め、具材の栄養を全て摂取することができるスープダイエット。
そこにかつお節のだし汁を取り入れることで、余分な調味料を使わずに、旨味を引き出すことができます。
塩分使用を控えることは病気のリスクを減らすことができますし、栄養バランスの整ったスープはダイエットだけでなく、美肌効果も期待できます。
また、さまざまな味のスープにアレンジ可能なため、食べ飽きることなく続けることができるでしょう。
おやつ代わり
花かつおなどのかつお節をスナック感覚でそのまま食べる方法です。
かつお節は、加熱調理によって必要な栄養素が失われる可能性があります。
そのため、かつお節をそのまま食べることで栄養素を全て取り込みましょう。
噛めば噛むほど、ヒスタミンが分泌され、脂肪燃焼が促進されます。
また、ゆっくり食べることで、満腹感も得られてダイエット効果が増すでしょう。小腹が空いたときの対策におすすめです。
食事に取り入れる
だし汁を活用することはもちろん、冷や奴やほうれん草のお浸しなどにかける定番の食べ方もかつお節をたっぷりと摂取できます。
サラダの上に乗せるなど、意外なお料理にプラスアルファすることでで新たなおいしさを発見することができるかもしれません。
かつお節が持つ旨味がお料理のアクセントとなり、少ない調味料で調理することが可能です。
これは塩分使用量やカロリーを抑えることにも繋がります。
また、かつお節には花かつおだけでなく、たくさんの種類があります。
料理によってかつお節を使い分けられるように、いろいろな種類のかつお節を用意すると、ダイエットの楽しみにもなるでしょう。
さらには、かつお節ふりかけなど、簡単にかつお節の栄養を摂取できる食品も販売されています。
そのような食品を活用することで、簡単にいつもの食事にプラスすることができます。
食べ過ぎNG!かつお節の1日摂取量と注意点
かつお節100gにはタンパク質が77.1g含まれており、高タンパクで栄養豊富な食品であることは間違いないです。
しかし、ダイエット効果への期待から過剰な摂取をしてしまうことは危険です。
食べれば食べるほど良いというわけではありません。
1日のカロリー摂取量のほか、かつお節が含む成分の摂り過ぎや栄養の偏りにも注意が必要です。
痛風に注意!?
痛風の原因であるプリン体を多く含む食品として知られているかつお節。
プリン体の一日当たりの摂取目安は約400mgに対して、かつお節に含まれるプリン体の量は、かつお節1g当たり約5mgです。
そのため通常の食生活では痛風になる可能性は低いでしょう。
しかし、過剰摂取にならないようにするため、かつお節の摂取は1日に約80gにしましょう。
ちなみにかつお節(薄削)は、女性の手で一掴みして約10gです。約80gというと、かなり多い量だということがわかります。
一般的に、出し汁をとる場合に使用するかつお節の量は1リットルの水に対して、約30g程度です。他の食事に含まれるプリン体の量も考慮しつつ、計算しながら、かつお節を積極的に食事に取り入れてみて下さい。
かつお節に期待できるダイエット以外の効果
かつお節はダイエットに繋がる効果だけではなく、「幸せホルモン」と呼ばれるトリプトファンを含んでいます。トリプトファンは、睡眠の質を向上させたりや精神安定効果に繋がるともいわれています。
また、タンパク質が豊富であることから美肌など美容に関する効果も期待できます。
詳しくは、かつお節の栄養成分について解説している記事をご覧下さい。
まとめ
これまで説明してきたように、かつお節に含まれる成分にはダイエット効果が期待できます。
ただ単に食べると痩せる食材なのではなく、かつお節は身体に良い栄養素を摂りながら同時にダイエット効果を得られるという一石二鳥の食材です。
そして、アレンジ次第でダイエットメニューの幅も広がるでしょう。
かつお節はあくまで食材の1つであるということを理解し、摂り過ぎなどの注意点にも気をつけながら、日々の食生活に取り入れてみて下さい。
身近な食材であるかつお節を使ったダイエットは、手軽にいつでも始めることができます。
ぜひ、年末年始の体重コントロールにかつお節ダイエットをお試し下さい。