肌の新陳代謝が低下すると、シミやくすみなど、さまざまな肌トラブルが起こります。
つまり美肌を保つためには、適切な新陳代謝を促すためのケアが重要です。
今回は肌の新陳代謝が低下する原因とともに、肌の新陳代謝を高める方法まで解説していきます。
目次
肌の新陳代謝「ターンオーバー」とは?
健康的な肌は、一定のサイクルで新しい細胞に入れ替わります。
肌が新しく生まれ変わる代謝の仕組みを「ターンオーバー」といい、このサイクルが乱れると、さまざまな肌トラブルの原因となります。
肌の構造
皮膚は、「表皮」とその下の「真皮」の2層で構成されています。
肌の表面にあたる表皮は、さらに4種類の層から成り、日々新しい肌細胞を生成しているのが一番底の「基底層」、一番表面にあるのが「角質層(かくしつそう)」です。
その角質層を構成しているのは、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)で満たされた角質細胞と、その細胞同士の間を埋めている細胞間脂質。
これらは外の刺激から皮膚を守り、水分を外に逃がさないようにする「バリア」の役目を果たしています。
ターンオーバーの仕組み
健康な肌の場合、ターンオーバーは約6週間のサイクルで行われるといわれています。
皮膚細胞が生成されるのは、表皮の一番下にある「基底層」。
できあがった細胞は約2週間かけて下の層から肌の表面へと押し上げられていき、さらに約2週間経つと、垢や古い角質として剥がれ落ちていきます。
このようにして古い細胞が新しい細胞と入れ替わっていくのが、肌のターンオーバーの仕組みです。
肌の新陳代謝が低下する原因と悪影響
ターンオーバーの周期が乱れると、新しい細胞との入れ替わりが正常に行われず、角質層の天然保湿因子や細胞間脂質が不足してしまいます。
これらが不足するとバリア機能が低下するため、外からの刺激を受けやすくなったり、乾燥しやすくなったりと、肌荒れの起きやすい状態になるのです。
肌の新陳代謝が低下する原因
ターンオーバーの乱れの原因としては、老化の影響もありますが、もちろんそれだけではありません。
美肌を保つために、きちんと原因を覚えておきましょう。
乱れた生活習慣
ターンオーバーの周期は、生活習慣にも大きく影響されます。
- 間違ったダイエットや偏った食事
必要な栄養素の欠乏を招くため、新陳代謝を妨げます。
- 運動不足
筋力が低下し、血行が悪くなります。
血行不良により、新しい細胞をつくるために必要な栄養が行き渡らなくなると、ターンオーバーが正しい周期で行われません。
- 寝不足
深い睡眠がとれないと、成長ホルモンの分泌が少なくなります。
分泌量が減少すると、肌の修復や代謝を十分に行うことができません。
- 過度の飲酒
過度の飲酒は、体の毒素を排出する機能を持つ肝臓に負担をかけます。
アルコール分解時には、肌の代謝を促すビタミンBなども消費されるため、ターンオーバーを乱す一因になってしまいます。
- ストレス
ストレスによって自律神経やホルモンバランスが乱れると、血行不良を招き、肌の代謝にも悪影響を及ぼします。
血管が収縮するため、肌に取り込まれる酸素や栄養が足りなくなってしまい、健康的な肌質を保ちにくくなります。
ターンオーバーの乱れによる肌への影響
ターンオーバーが乱れると、さまざまな肌トラブルが起こります。
以下に当てはまるものがあれば、肌の新陳代謝が低下しているサインかもしれません。
肌がくすむ
肌のくすみには、ターンオーバーの乱れが影響しています。
本来であれば垢として剥がれ落ちるはずの古い角質が表面に残るため、肌の透明感が失われているのです。
乾燥する・ゴワつく
肌の新陳代謝が正常に行われないと、角質層の保湿機能やバリア機能が低下し、肌が乾燥しやすくなります。
また、古い角質が剥がれ落ちず表面が厚くなってしまうことで、肌がゴワつく原因にもなります。
大人ニキビができる
ターンオーバーが乱れると、古い角質で毛穴が塞がれ、その中に皮脂がたまります。
放置された皮脂は酸化し、アクネ菌が増殖するため、炎症が進むことで大人ニキビができあがってしまうのです。
シミができる
ターンオーバーが正常に行われないと、本来排出されるはずの古い細胞が残り、基底層でつくられた黒色メラニン色素が過剰に蓄積されます。
そのまま色素が沈着すると、肌が部分的に茶色に見える「定着ジミ」になるので注意しましょう。
肌の新陳代謝を高める方法
美肌を保つには、ターンオーバーが正常な周期で行われるようにしなくてはいけません。
肌の新陳代謝を高める方法を覚えておきましょう。
バランスのいい食事をとる
正常なターンオーバーの周期を作るためには、1日3回、栄養バランスのよい食事を摂ることが重要です。
<新陳代謝に効果のある栄養素>
- タンパク質:特に細胞の生成に欠かせない栄養素。
- ビタミンA・ビタミンB:代謝を促すのに効果的。
- ビタミンC:コラーゲン生成に必要。
- ビタミンE:血行促進作用が高い。
- 亜鉛:新陳代謝に必要な酵素を作る。
質のいい睡眠をとる
睡眠不足もターンオーバーの乱れに繋がります。
肌細胞の修復や新陳代謝に必要な成長ホルモンは、ノンレム睡眠で熟睡している間、最も活発に分泌されるため、きちんと深い眠りにつくことが重要です。
寝る前にはスマホやテレビ、PCなどのライトをなるべく浴びないように心がけ、質のいい睡眠をとるようにしましょう。
適度な運動をする
適度に運動をして汗をかき、筋肉をつけると、体全体の新陳代謝が高まります。
それに伴い肌のターンオーバーも促進されるため、軽いランニングやウォーキングなど、手軽にできる運動から生活に取り入れてみましょう。
体を温める
身体の冷えも、血行を悪くして肌の代謝機能を低下させる原因のひとつです。
夏場の屋内はエアコンが効きすぎていることもあるので、カーディガンなど羽織ものを持ち歩いておくといいでしょう。
冷たい食べ物・飲み物を摂りすぎないように気をつけ、冷え性の人は根菜や発酵食品など、体を温める食材を口にすることをおすすめします。
【関連】
紫外線対策をする
紫外線のダメージを受けると、肌が早く細胞を修復しようとするため、ターンオーバーの周期が必要以上に早まります。
ターンオーバーの周期は、単に短ければいいというわけではありません。
周期が短すぎると、正常な細胞が生成できず、バリア機能が弱くなるなど、肌トラブルの原因となってしまうのです。
紫外線は年中降り注いでいます。
季節や天気に関わらず、日焼け止めクリームやUVカット効果のある化粧品などでしっかり対策をしましょう。
しっかり保湿をする
正しいターンオーバーの周期を作るには、乾燥を防ぐためにしっかり肌を保湿することも欠かせません。
特に、入浴後や洗顔後の皮膚は、皮脂が落ちて乾燥しやすい状態になっています。
なるべく時間が空かないうちに、保湿力の高い化粧水や乳液・美容液・保湿クリームなどで、毎日欠かさずケアするようにしましょう。
空気が乾燥している冬は、部屋の加湿をこまめに行うようにしましょう。
マッサージで血行を促進する
マッサージをすると、肌細胞の活性に必要な栄養分を運ぶ血液や、老廃物を運ぶリンパ液の流れがスムーズになり、新陳代謝を促すことができます。
また、適度なマッサージであれば表面の古い角質が剥がれ落ちるリズムを整えることができるため、ターンオーバーの周期を正すことができます。
まとめ
肌の新陳代謝が正常に行われることで、透明感やハリのある美肌が作られます。
肌トラブルにお悩みの方は、今回ご紹介した新陳代謝を高める方法を実践してみてください。